2025年07月18日
瓦屋根の下にある”土”とは?? 葺き土(屋根土)について
こんにちは。
西東京市の屋根工事専門店ティーエムルーフです。
瓦屋根の下にある”土”の正体とは??
瓦屋根をめくったことがある方は、『瓦の下に土が入っている!』と驚かれたかもしれません。
実はこの土は、単なる”土”ではありません。
日本の気候風土と向き合ってきた先人たちの知恵が詰まった、重要な役割を持つ素材なのです。
瓦屋根の下に敷かれているこの土は『葺き土(ふきつち)』や『屋根土(やねつち)』と呼ばれています。
主に粘土質の土が使われており、雨風・気温の変化に耐えられるよう工夫された素材です。
【葺き土の役割】
■瓦をしっかり固定する
瓦と瓦の間に詰めることで、瓦が動かないように固定する働きをします。
土の重みと粘り気を利用して屋根を安定させていたのです。
■雨水の浸入を防ぐ
瓦の下に多少水が入っても、葺き土がその水分を吸収・保持し、屋根裏に浸みこむのを防いでくれます。
日本の高温多湿な気候をよく理解した伝統的な防水手法です。
■断熱・遮音の効果
土は断熱性が高く、夏の暑さや冬の冷気を緩和してくれます。
また、屋根を通して伝わる音も軽減してくれます。
【近年の屋根工事は葺き土を使わない乾式工法】
現在では、『乾式工法(かんしきこうほう)』と呼ばれる、葺き土を使わずに瓦を金具やビスで固定する方法が主流で、
これは耐震性を高めたり、メンテナンス、施工効率の向上のための進化です。
日本の一般住宅で、葺き土による瓦屋根が主流だったのは、昭和30年代(1950年代後半)〜昭和50年代(1970年代)頃までです。
下記の理由から、乾式工法が主流になっていきました。
■耐震性の問題
土を大量に使うことで屋根が重くなり、地震時に家屋が倒壊しやすくなるためです。
■施工の手間とコスト
土葺きは熟練職人による手作業が必要で、時間とコストがかかります。
■新建材の普及
モルタル・セメント・防水シートなど、新しい素材の登場により、土の機能を他で代替できるようになりました。
現在の一般住宅(新築)ではほとんど使われませんが、昔ながらの寺社仏閣や古民家などの建築物の修復工事や、文化財、伝統建築の保存、再生工事では今も葺き土工法が使われることがあります。
【こんな時はご相談ください!!!】
・古い瓦屋根で土が流れ出してきた
・屋根から土がポロポロ落ちてくる
・屋根の点検を何十年もしていない
このような場合、葺き土の劣化や崩れのサインかもしれません。
放置すると雨漏りや瓦のズレにつながる可能性があります。
西東京市屋根工事専門店ティーエムルーフでは、状態に応じて最適な対応をご提案いたします。
お気軽にご相談ください。
↓↓瓦屋根の下地として使われていたバラ板についてのブログはこちらをご覧ください↓↓
”昔の瓦屋根の下に使われていた【バラ板】とは?”
https://www.tmroof.com/businessblog/reform-nishitokyo/20250725229.html

